スリム構造でも、しっかり支える
― ウッドデッキにプールやプランターを載せても大丈夫です ―
「細い木材だと、強度が心配…」
ウッドデッキを検討される方から、よくこんな声をいただきます。
実は、木材の強度は「太さ」だけでは決まりません。
私たちが採用している20×105mmの“スリム構造”は、
一見細いように見えても、十分に荷重を支える力を持っています。
なぜ「細くても」大丈夫なのか
木材がたわみにくいかどうかは、主に「高さ(せい)」が関わります。
20×105mm材の場合、せい(高さ)が105mmと大きいため、
たわみに対して有利な断面性能を発揮できます。
さらに、根太のピッチ(間隔)やスパン(支え間隔)を適切に設計することで、
大きな荷重でも構造的に支えることが可能になります。
プールや大型プランターを載せてもOK
「子どもが遊べる簡易プールを置いても大丈夫?
大きな鉢をいくつも並べると重くならない?」
そんなご心配にもしっかり応えられるのが、このスリム構造の強みです。
- 家庭用プール(1.2m×2m×高さ30cm)に水を満たして約600kg
- 子ども数名で約200kg
- 合計約800kgを約1.2㎡に分散 → 1㎡あたり約670kg
もちろん、プランターを並べたり、ちょっとしたアウトドア家具を置いても
問題なく使用可能です。
構造計算のめやす
ここでは、根太(20×105mm)1本あたりのスパン別に、
均等荷重の理論上限界(安全率を考慮しない値)を簡単に試算したものを示します。
安全率や湿度・節の状況などを加味して実際は設計しますが、
参考数値としてご覧ください。
スパン長 (mm) | 理論上限界荷重 (1本あたり) |
実用荷重 (安全率1.5〜2) |
---|---|---|
900 | 約927kg | 約600〜620kg |
1200 | 約520kg | 約330〜350kg |
1500 | 約333kg | 約200〜220kg |
※ ウリン材(曲げ強度100MPa相当)を許容応力度25MPaで設計、根太断面係数Z=36,750mm³とした簡易算出例です。
※ 根太ピッチ・束柱数などの全体設計で実際のデッキ耐荷重が決まります。
“しなる前に補強”する設計
細い材でも、根太を細かく入れる、スパンを短くするなどの工夫で、
床板に過度のたわみや破損が起きないよう設計しています。
大人が乗って遊んだり、プールの水荷重を乗せたりしても、
構造全体でしっかりと荷重を分散し合うので安心です。
まとめ
「細い木材は弱そう」というイメージは、
“木材の断面性能”や“施工設計”を知るとガラッと変わります。
私たちは、力学的根拠と現場経験をもとに、
見た目以上に強いウッドデッキをお届けしています。
大きめのプールやプランターを置いて楽しみたい方も、
遠慮なくご相談ください。